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連載 忘れてはならない輸入感染症と稀少感染症(12)
つつが虫病と日本紅斑熱
Scrub typhus and Japanese spotted fever
安藤秀二
1
Ando Shuji
1
1国立感染症研究所ウイルス第一部第五室 室長
キーワード:
つつが虫病
,
日本紅斑熱
,
紅斑熱群リケッチア
,
発疹チフス群リケッチア
,
輸入感染症
Keyword:
つつが虫病
,
日本紅斑熱
,
紅斑熱群リケッチア
,
発疹チフス群リケッチア
,
輸入感染症
pp.189-198
発行日 2013年6月25日
Published Date 2013/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201307189
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リケッチア症はしばしば稀少感染症として取り上げられるが,つつが虫病と日本紅斑熱だけでも毎年,数百症例がわが国で,確定,報告されている。紅斑熱群リケッチアや発疹熱群リケッチアによる疾患,つつが虫病の3つに大別される。つつが虫病はアジア地域に広く分布し,発疹熱は世界中に広がっている。さらに,ロッキー山紅斑熱や地中海紅斑熱を代表とする多様な紅斑熱群リケッチア症が世界中に分布することから輸入感染症としても注意を要する。診断治療においても他の熱性感染症と比べ,ルーチン検査に適しなかったり,一般的な熱性疾患に用いられる抗菌薬が無効なことが多く,症例を見た際にリケッチア症を鑑別対象とする判断ができるかが患者の予後を左右する。そのための十分な情報を有することが重要である。