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BCG接種に続発せる尋常性狼瘡
増田 圭喜
1
,
草深 忠雄
1
,
宮崎 利治
1
1長野赤十字病院皮膚科泌尿器科
pp.595-598
発行日 1955年8月1日
Published Date 1955/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201478
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結核免疫を目的とした幾多の業績の中で,最も精彩を放つているものの一つはCalmette et Gu-elin(1924)の創始になるBCG接種であろう。元来BCG免疫はCalmetteが乳児に経口的に投与したものであるが,彼の共同研究者の一人であつたWeil-Hallé(1928)は経口的に与えるよりも皮下接種によつて一層効果的であることを力説し,続いてHeimbeck,Chausinand,Schel,Schultz u.Skaar,Kritschensky本邦では伝染病研究所,今村等の追試報告が発表されるに及びBCGの創始者たるCalmette (1930)も遂に皮下接種の効果を承認し,その後も幾多の改良研究が重ねられて,今日の隆盛の基礎が築かれて来た。
時恰も我国に於いては結核患者の発生率が年々歳々その数を増し,国民の死亡率の首位を占め,広く世界に非文明国の烙印をおされつつあつた頃でもあり,国民病としての結核を我国から追放するためにBCG接種の普及が叫ばれたのは当然のことであつた。
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