特集 神経難病と創薬
8.多発性硬化症の創薬の展望
越智博文
1
,
藤原一男
2
1愛媛大学大学院医学系研究科老年・神経・総合診療内科学・講師
2福島県立医科大学多発性硬化症治療学講座・教授
pp.1661-1667
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018071661
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
米国食品医薬品局(FDA)によって承認された多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)の疾患修飾薬は,ジェネリック医薬品を含めると既に16種類に上る。一部には進行型MSに対する有効性が確認された薬剤もあるが,そのほとんどは再発寛解型MSに対して有効であっても,進行型MSに対しては無効ないしは十分な治療効果が期待できない。その理由として,再発寛解型MSと進行型MSでは背景にある免疫病理学的な病態が異なることが指摘されている。
進行型MSの病態解明は端緒についたばかりであるが,現在,進行型MSに対する新規治療薬や髄鞘再生医薬の開発が進んでいる。