発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201803880
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〔今月の注目論文のポイント〕 1.カナダオンタリオ州の医療情報データベースを用いた後向きコホート研究において,抗血栓薬(抗凝固薬,抗血小板薬)の使用により,血尿関連合併症(肉眼的血尿による救急来院,入院,泌尿器科処置)のリスク上昇を認めたことが報告されている。 2.英国の医療情報データベースを用いた後向きコホート研究において,プロタミン含有インスリン使用群と比較して,インスリン グラルギン使用群では乳癌の発症リスク上昇を認め,インスリン デテミル使用群ではリスク上昇を認めなかったことが報告されている。 3.健康成人を対象とした試験において,ケルセチンの併用によりジクロフェナクの血漿中濃度が上昇し,CYP(チトクロムP450)2C9を介した相互作用の可能性が示唆されている。 4.健康成人を対象とした試験において,クロピドグレルの併用によりモンテルカストの血漿中濃度が上昇し,CYP2C8を介した相互作用の可能性が示唆されている。 5.カナダオンタリオ州の医療情報データベースを用いた症例対照研究において,喘息の小児患者では全身ステロイドの使用による骨折のリスク上昇を認めたものの,吸入ステロイドの使用では骨折リスクの上昇を認めなかったことが報告されている。 6.コーヒーはin vitro 試験ではCYP3A4を阻害したものの,健康成人を対象とした試験では,フェロジピンの血漿中濃度に影響を及ぼさず,CYP3A4を介した相互作用は起こらないことが示唆されている。