連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(115)
適正使用を目指した睡眠薬使用マニュアルの導入と評価
田村和彦
1
,
新関みどり
1
,
近藤和宏
2
1分県済生会日田病院薬剤部
2分県済生会日田病院薬剤部 薬剤部長
pp.1495-1500
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201706123
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我々は,転倒・転落のリスク軽減を目的として「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療マニュアル」を作成した。本マニュアルは各種ガイドラインを参考に作成し,2015年9月1日より導入した。導入前後において,65歳以上の入院患者を対象に,睡眠薬の使用状況と転倒・転落した件数について検討したところ,ブロチゾラムでは導入後,ともに減少した。ゾルピデムでは使用量は減少したが,患者数は増加した。転倒・転落した総件数に変化はなかったが,新規に睡眠薬等を服用した患者では減少傾向を示した。本マニュアルは転倒・転落の防止に効果的と思われ,薬剤師によるリスクマネジメントへの関与が期待できる。