増大号特集 精神科診療のエビデンス—国内外の重要ガイドライン解説
第12章 睡眠障害
睡眠薬の適正な使用・休薬ガイドライン
高江洲 義和
1
,
三島 和夫
2
Yoshikazu Takaesu
1
,
Kazuo Mishima
2
1杏林大学医学部精神神経科学教室
2秋田大学大学院医学研究科医学専攻病態制御医学系精神医学講座
1Department of Neuropsychiatry, Kyorin University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Neuropsychiatry, Akita University Graduate School of Medicine
pp.712-718
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206099
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ガイドラインのポイント
・慢性不眠症に対する適切な症状評価,治療の要否判定,睡眠衛生指導,薬物療法,非薬物療法,維持治療,休薬を目指した出口戦略についてのアルゴリズムを示した包括的なガイドラインである。
・睡眠薬治療は単剤・常用量使用が原則であり,安易な多剤併用療法や長期使用は避けるべきである。
・非薬物療法の認知行動療法は単独療法も睡眠薬との併用療法も有効性が示されているため,可能であれば実施を検討することが望ましい。
・不眠症状と日中の機能障害が十分に改善した場合は,睡眠薬を継続すべきか,休薬を目指すべきかについては,共同意思決定により決定することが望ましい。
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