特集 実践!感染症の治療と制御
2.抗菌薬の適正使用
松本哲哉
1
1東京医科大学微生物学講座・主任教授/東京医科大学病院感染制御部・部長
pp.1671-1673
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201307057
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抗菌薬の適正使用は,感染症の治療効果を上げるとともに,耐性菌の出現を抑制することが大きな目的となっている。その背景には,新規の抗菌薬の開発が今後望めず,現存の抗菌薬の有効性を維持しなければならない状況や,各種の耐性菌が増加している状況がある。各種ガイドラインが作成され,PK-PD(Pharmacokinetics-Pharmacodynamics)理論の導入やTDM(Therapeutic drug monitoring)の実践を含めて,より高いレベルの抗菌薬の適正使用が実施できる環境が整ってきている。ただし実際には個別の症例において,各種要因を考慮しながら,臨床経過に沿ってきめ細かな治療が行われることが,本当の抗菌薬の適正使用につながると考えられる。