連載 薬剤師による処方設計(56)
薬剤師外来における術前休薬指示に関するプロトコルに基づく薬物治療管理(PBPM)の導入と評価
菊池大輔
1
,
大内竜介
1
,
渡辺善照
2
1東北医科薬科大学病院薬剤部
2東北医科薬科大学病院薬剤部 薬剤部長
pp.1301-1307
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12017051301
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東北医科薬科大学病院では,手術等に伴う休薬に関する情報提供などを目的とした薬剤師外来を実施しており,2014年9月より循環器内科に限定して薬剤師主導の休薬指示を可能とするプロトコルに基づく薬物治療管理(Protocol-Based Pharmacotherapy Management:PBPM)を導入している。PBPM 導入を境に薬剤師外来による術前休薬指導の効果に変化があったのかを,入院時の休薬遵守率を指標に評価した。薬剤師外来を訪れた患者は,PBPM 導入前の2014年4月が143名(うち休薬を必要とした患者23名〔医師からの休薬指示あり10名,指示漏れ13名〕),PBPM導入後の2015年4月が176名(うち休薬を必要とした患者20名〔PBPM対象8名,PBPM 対象外で医師からの休薬指示あり8名,休薬指示漏れ4名〕)であった。薬剤師外来からの情報提供により,入院時に休薬が必要な全患者で休薬遵守が確認された。薬剤師外来の術前休薬指示に関するPBPM や休薬指導が,入院後の手術延期の回避などに寄与していたと考えられる。