特集 高コレステロール血症治療の現状と展望
2.高コレステロール血症の食事療法
丸山千寿子
1
1日本女子大学家政学部食物学科・教授
pp.835-840
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201703073
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高コレステロール血症を是正する食事療法では,エネルギー摂取を適正体重が維持できる量とした上で,脂質エネルギー比を 20~ 25%,飽和脂肪酸エネルギー比を 4.5%以上7%未満とし,トランス脂肪酸の摂取を控え,コレステロール摂取量を 200mg未満とする。食物繊維と n-3系多価不飽和酸の摂取を増やして充足させ,抗酸化物質を摂取する。これを可能にするために,肉の脂身や動物脂(牛脂,ラード,バター)を控え,魚,大豆,野菜,海藻,きのこ,果物,未精製穀類を取り合わせて食べる減塩した日本食パターンにすると,血中脂質のみならず,包括的に動脈硬化を予防する食事となる。薬物療法の内容に応じて,微量栄養素の不足や副作用に留意する。