連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(109)
抗がん剤汚染報告から見た汚染発生要因と汚染処理
川田史朗
1
,
前田悠佑
1
,
前田拓哉
2
,
三上二郎
3
1IMS(イムス)グループ 横浜旭中央総合病院薬剤部
2IMS(イムス)グループ 横浜旭中央総合病院薬剤部 薬剤部長
3IMS(イムス)グループ 横浜旭中央総合病院薬剤部 薬剤教育・監査部長
pp.2715-2720
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201612115
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抗がん剤曝露の長期的な影響として,発がんや生殖異常が知られており,その対策は非常に重要である。抗がん剤曝露の機会は調製時だけでなく,投与準備や投与中などの投与管理時にも存在する。抗がん剤を投与中,投与ルートの接続が外れるなどして経路外へ漏出した際は,人体への直接の汚染や拡散につながり,非常にリスクが高い。横浜旭中央総合病院(以下,当院)では,スピルキットに抗がん剤汚染報告用紙を同封しており,汚染が発生した場合は,全件この報告用紙による報告を義務付けている。今回,これまでに集積された報告内容から,当院での汚染発生要因とその防止対策,および汚染処理について紹介する。