連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART I.院内製剤(79)
硝子体内注射用ベバシズマブの調製法検討と今後の展望
井上貴子
1
,
酒井克紀
1
,
福田英克
2
,
南波勝栄
3
,
桒名良和
4
,
建林美佐子
5
1公立学校共済組合近畿中央病院薬剤部
2公立学校共済組合近畿中央病院薬剤部 副薬剤部長
3公立学校共済組合近畿中央病院薬剤部 薬剤部長
4公立学校共済組合近畿中央病院臨床検査科
5公立学校共済組合近畿中央病院眼科・部長
pp.2135-2140
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201609141
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公立学校共済組合近畿中央病院(以下,当院)では,患者の同意を得て,アフリベルセプト(アイリーア®),ラニビズマブ(ルセンティス®),ペガプタニブ(マクジェン®)の適応外となる症例に対して,ベバシズマブ(アバスチン®)の硝子体内注射を行っている。 ベバシズマブは点滴静注用の製剤しか販売されていないため,硝子体内注射を施行するにあたり,一施行分ずつシリンジに分注する必要がある。従来,当院ではこの調製作業は眼科医師により行われていたが,院内製剤のため眼科医師ではなく薬剤師による分注体制が適当であると考え,薬剤部で調製を行うこととなった。これを機に,使用感の良い無菌的安全性が担保された硝子体内注射用の院内製剤を提供し,眼科診療支援を行うことを目的として,調製方法等の改善を検討した。 本稿では,当院における調製方法を紹介するとともに,調製(分注)後の無菌性確認結果および本剤の硝子体内注射施行結果を示す。