発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201604125
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ドライアイでは,涙液の構成成分であるムチンの減少が生じており,涙液層の不安定化や角膜上皮障害を引き起こしていると考えられている。 胃炎・胃潰瘍治療剤である『ムコスタ®錠』の主成分であるレバミピドは,胃の粘液増加作用や胃粘膜障害に対する治癒促進作用を有する。我々は,眼表面において粘液(ムチン)を増加させることが,ドライアイの治療において有用であると考え,レバミピドのドラッグ・リポジショニングを展開した。 眼表面に関する基礎研究において,レバミピドは角結膜ムチンの産生促進作用および角結膜表面微細構造の修復作用等を有することが明らかとなった。さらに臨床試験において,角結膜上皮障害に対する有効性が示されるとともに,安全性についても確認された。 本稿では,ドラッグ・リポジショニングによって誕生したドライアイ治療薬『ムコスタ®点眼液UD2%』について解説する。