特集 高齢者医療におけるサルコペニア・フレイル対策
1.高齢者医療におけるサルコペニア・フレイルの位置づけ
佐竹昭介
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1国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 高齢者総合診療科・医長/フレイル予防医学研究室・室長
pp.2095-2100
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201509051
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加齢に伴いストレスへの対応能力は低下するが,このような生理機能の変化が一定以上に進行し,小さなストレスに対しても体調を崩しやすい状態をフレイルと呼ぶ。その基盤となる病態は低栄養やサルコペニアであり,さまざまな疾患や活動性の低い生活習慣がそのような状態を招く。高齢者の多くはいくつもの疾患を併存するが,薬剤もまたストレスをもたらす可能性があり,必要な治療を見極める必要がある。フレイルは,さまざまな健康障害が連鎖して発症する起点になるため,フレイル状態を早期に評価し,改善のための啓発を行うことが,健康長寿社会の実現には必要である。