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第88回日本産業衛生学会 大会テーマ「Quality of Working Life ~グローバル化と労働形態多様化の中での展望~」
pp.1468-1479
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201506030
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第88回日本産業衛生学会が5月13~16日,大阪市内のグランフロント大阪で開催された。大会テーマは「Quality of Working Life~グローバル化と労働形態多様化の中での展望~」,企画運営委員長は奈良県立医科大学地域健康医学講座教授・車谷典男氏。日本産業衛生学会は1929年に設立され,わが国の産業医学の進歩を図ることを目的に活動している。産業医学は,かつては特定の職業や,作業行程に特有の職業病を対象に,その原因究明・対策を研究してきたが,現在では事務作業も含め,労働者の総合的な健康増進を考察している。近年では,特に先進国で労働に対する社会的概念が大きく変化し,単に賃金を得る手段という枠組みを越えて,働きがいや社会的充足感をも求めるものになりつつある。そういった流れを背景に,労働の質を測定する指標にもさまざまな改良がなされ,最近では労働と生活とを包括的に捉える「Quality of Working Life(QoWL)」という概念が注目を集めている。学会では,このQoWLをテーマにしたシンポジウムが開催され,そ概念整理や活用のあり方などについて,関係者の間で討議がなされた。