特集 産業医学最近の話題
産業医学の現状—日本産業衛生学会の活動から
堀口 俊一
1
Shun'ichi HORIGUCHI
1
1大阪市立大学医学部環境衛生学教室
pp.365-368
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207695
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
わが国の産業医学に関連する学会の中心は「日本産業衛生学会」であるとして異論はないであろう.この学会の淵源は昭和4(1929)年,倉敷労働科学研究所に本部を置き,暉峻義等を理事長とする産業衛生協議会の創立に溯る.この時,創立総会および第1回産業衛生協議会が開かれ,以来,現在まで60年になんなんとする歴史を有する.来年はいわば還暦に当たる.また現在の機関誌「産業医学」は本年から第30巻に入る.当初は労働科学研究所の機関誌「労働科学研究」(その後「労働科学」と改称)の場を借りていたが,昭和34(1959)年,現在の「産業医学」として独立した.
学会の定款によると,「本会は産業衛生の進歩をはかることを目的とする」(第3条)とあり,この目的を達成するために,つぎの事業を行うことが第4条に掲げられている.(1)日本産業衛生学会および日本産業医協議会の開催,(2)産業衛生に関する協議会,研究会の開催,(3)機関誌の発行,(4)産業衛生に関する調査研究,(5)産業衛生に関する教育研修,(6)産業衛生に関する資料の収集,編さん,(7)その他本会の目的達成上必要な事項.以上のほか,「本会の目的を達成するため必要があるときは委員会を設けることができる」(第34条)とされている.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.