特集 最新の腎疾患診療とその展望
7.低ナトリウム血症治療の 最新知識
門川俊明
1
1慶應義塾大学医学部医学教育統轄センター・教授
pp.1343-1347
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201505107
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低ナトリウム(Na)血症は,入院患者に見られる電解質異常症として最も頻度が高い。近年,治療ガイドラインが作成され,新しい治療薬が登場してきている。低Na血症の治療においては,その原因疾患の治療を行うべきであるが,重篤な症状を呈している場合には,高張食塩水(3%NaCl)を用いた緊急治療が必要である。その際に,浸透圧性脱髄症候群を起こさないよう,過補正しないことが重要である。 本稿では欧州治療ガイドラインに基づいた,緊急治療のプロトコールを紹介する。低Na血症の治療薬としてのトルバプタンには制約も多く,短期的および長期的な治療ベネフィット,安全性に関しては,今後のエビデンスが待たれる。