特集2 がん薬物療法の最前線 ~抗体医薬品を中心に~
7.切除不能転移・再発大腸癌に対する抗体療法
佐藤太郎
1
1大阪大学大学院医学系研究科消化器癌先進化学療法開発学寄附講座・教授
pp.125-128
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201501125
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切除不能と判断された転移・再発大腸癌の予後は約8カ月であり,現状では治癒させることができないが,PS 0?2の症例を対象とした第詠相臨床試験において,抗癌剤を用いない対症療法と比較し,化学療法群に生存期間の有意な延長が検証されている。大腸癌領域における抗体医薬の進歩は著しく,現在の化学療法の生存期間中央値は30カ月に到達している。症例により切除可能となり,長期生存が得られる場合があり,切除可能性を念頭に置いた対応が忘れられない。三次,四次治療,それ以降も念頭に置いた治療を行う必要がある。本稿では血管新生阻害と上皮成長因子受容体阻害剤の大腸癌最新治療の話題ついて概説する。