特集 特集 miRNAの実力:診断から治療まで
3.miR-21による大腸がんの早期診断
問山裕二
1
,
楠正人
2
1三重大学大学院医学研究科生命医科学専攻病態修復医学講座 消化管・小児外科学学内講師
2三重大学大学院医学研究科生命医科学専攻病態修復医学講座 消化管・小児外科学教授
pp.2827-2833
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201412073
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MicroRNAs(miRNAs)は18~ 25塩基からなる低分子RNAsであり,がんの発生,進展,転移に関わることが知られている。近年,体液中の分泌型miRNAsは,膜小胞であるエクソソームに含有されることで安定して存在することが報告されている。循環血中のmiRNAsは細胞間のコミュニケーション手段として機能を有し,さらに血液を含めた体液や便においてもmiRNAsは病態により発現変動が確認できるため,非侵襲的新規バイオマーカーとして期待されている。
本稿では,大腸がんにおけるmiRNAs診断に関して,極めて重要なonco-miRNAsであるmiR-21を中心に,これまでに報告されている研究を紹介し,将来の可能性を展望する。