特集 臨床研究の倫理的課題 ~最近の動向,論点,展望~
5.医療機器臨床試験に関する倫理的課題 ~体内植込み型医療機器を中心に~
中田はる佳
1
,
會澤久仁子
2
,
松井健志
3
1独立行政法人国立循環器病研究センター研究開発基盤センター知的資産部
2独立行政法人国立循環器病研究センター医学倫理研究室
3独立行政法人国立循環器病研究センター室長
3[独立行政法人国立循環器病研究センターバイオバンク個人情報管理室・室長]
pp.1971-1975
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014081971
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臨床試験に関する倫理的配慮は,主に医薬品試験を想定して構築されてきた。しかし,医療機器と医薬品は特性が異なるため,特にハイリスクの体内植込み型医療機器臨床試験において,特別な倫理的配慮が必要となる。すなわち,機器の取り出し・交換の困難さ,被験者だけでなく研究者・医療者も試験に治療的利益を過剰に期待する可能性があること等を考慮し,同意撤回後または試験終了後の被験者への対応についての丁寧な検討や,機器の継続使用・費用負担に関する定めや被験者の意向について,事前および試験中も継続的な協議が重要となる。こうした課題の検討は,今後の再生医療等の先端医療分野への示唆をも含むものである。