第 I 部 医療イノベーションと新薬創出
3.医療イノベーションにおける創薬の出口戦略
川上浩司
1
1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻薬剤疫学分野・教授
pp.231-235
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313231
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医療開発においては,他の産業とは異なり,薬事制度と社会福祉制度という二つの理解すべき要件がある。日本における臨床試験は,治験と治験外の臨床研究という並立するトラックがあったが,このうち治験外の臨床研究についてもICH-GCP(The International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use-Good Clinical Practice)に則って実施することが整備されていくことで,将来は日本版IND(investigational new drug)制度へとつながっていくことが期待されている。
また,医療は社会福祉の一環であるという通念のもと,昨今,臨床試験,臨床疫学のエビデンスに基づいた医療(EBM)のみならず,費用対効果なども示していく比較有効性研究(CER)が世界的に重視されるようになっている。