連載 衛生行政キーワード・75
医療イノベーションについて
松本 晴樹
1
1厚生労働省大臣官房厚生科学課
pp.342-343
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102091
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平成23年1月7日,政府は内閣官房に「医療イノベーション推進室」を設置した.10~20年後,更には50年後の世界的な医療技術動向も見据えて国際競争力を持つ「日本発の医薬品・医療機器・再生医療」などを次々と生み出し,世界に誇れる「医療イノベーション」を起こすことを目指すものだ.医療イノベーション推進室は,文字通り産学官から広く人材を集め,オールジャパンで医療イノベーションを推進する体制の中心として位置づけられている.
平成22年6月18日に閣議決定された「新成長戦略」では,「ライフイノベーションによる健康大国戦略」が7つの戦略分野の1つとして挙げられている.主に,医薬品・医療機器や再生医療をはじめとする最先端医療技術の実用化を医療イノベーションとして位置づけ,これを促進し,国際競争力の高い関連産業を育成するとともに,その成果を国民の医療・健康水準の向上に反映させることを目標としている.これを受け,文部科学省・厚生労働省・経済産業省は,副大臣・政務官レベルでの議論・意見交換・情報共有化の場を設ける,予算事業などを一体的に推進するなど,密接に連携を進めた.さらに,平成22年11月に内閣官房長官を議長とする「医療イノベーション会議」を開催し,その中で内閣官房の下に企画立案や総合調整を行う「医療イノベーション推進室(以下,推進室という)」を設置することが決定されたものだ.
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