特集1 医療経済評価の日本での活用
1.医療経済評価の評価方法と課題 ~薬剤経済学「基礎の基礎」~
五十嵐中
1
1東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学寄付講座
pp.2779-2782
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201312055
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医薬品の費用対効果を評価する際には,介入の費用面への影響に加えて,健康アウトカムの改善効果も吟味する必要がある。単純に費用を効果で割り算するのではなく,今までの技術と比較した際の差分をとり,費用の差分÷ 効果の差分の増分費用効果比(ICER)の大小で議論する。効果のものさしとしてさまざまな指標がある中で,生存年(LY)に生活の質(QOL)の「スパイス」をかけた質調整生存年(QALY)がよく用いられており,海外の評価機関でも汎用される。
費用対効果の結果を政策応用する際には,ICERの数値のみをもって一律に給付の可否が決まることはなく,医療上のニーズなどその他の要素を総合的に考慮して意思決定がなされる。