特集 抗菌薬選択の実際―AMR(薬剤耐性)対策は日々の診療から
座談会
感染症診療と抗菌薬適正使用
上原 由紀
1
,
大曲 貴夫
2
,
原田 壮平
3
,
福井 早矢人
4
Yuki UEHARA
1
,
Norio OHMAGARI
2
,
Sohei HARADA
3
,
Sayato FUKUI
4
1順天堂大学大学院医学研究科感染制御科学/総合診療科
2国立国際医療研究センター国際感染症センター
3藤田保健衛生大学医学部感染症科
4春日部市立医療センター内科
pp.147-156
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_147
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上原 本日の座談会のテーマは「感染症診療と抗菌薬適正使用」です.2015年にWHOの薬剤耐性(AMR)に対するグローバル・アクション・プランが採択され,日本では2016年5月のサミット直前にAMRアクションプランが決定されました.
このAMRアクションプランの特徴のひとつとして,各国の抗菌薬使用量の比較が掲載されていることがあります.日本では,ほかの国と比べてセファロスポリン系やマクロライド系,キノロン系の使用量の割合が高いと示されています.これらは経口薬で,外来で処方される場面が多いと思います.また,「何年後までにどれくらいまで耐性菌を減らしましょう」という具体的な達成数値目標が提示されているのも特徴で,抗菌薬の使用量の問題とともに論じられています.
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