特集 骨粗鬆症治療の新展開
10.骨粗鬆症治療薬の継続と服薬管理
細井孝之
1
1独立行政法人 国立長寿医療研究センター臨床研究推進部・部長
pp.919-922
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201303919
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骨折予防を目的とする骨粗鬆症の薬物治療はいつまで続けるべきなのか-----この問いに答えるためのエビデンスはまだ不十分である。FLEX(the Fosamax Fracture Intervention Trial Long-Term Extension)やHORIZON(the Reclast Health Outcomes and Reduced Incidence with Zoledronic Acid Once Yearly)などのデータをもとに最近出 された米国食品医薬品局(FDA)の委員会による意見として,ビスホスホネートによる治療では定期的にリスクとベネフィットを評価し,3~5年経過したところで骨密度の増加程度や骨折リスクを勘案して治療を継続するか否かを検討することが提案されている。骨粗鬆症の治療における「target-to-treat」の観点からの検討は,まだ緒に就いたばかりであり,現状では個々の患者について臨床的な判断が必要である。治療継続や服薬管理にはチームアプローチの考え方が必要であり,わが国でも骨粗鬆症リエゾンサービスの活動が開始された。