大腸側方発育型腫瘍(LST)-新たな時代へ
LSTの臨床病理学的および分子病理学的特徴
菅井 有
1
,
上杉 憲幸
,
杉本 亮
,
山野 泰穂
,
高木 亮
,
千葉 俊美
,
松本 主之
1岩手医科大学 医学部病理学講座分子診断病理学分野
キーワード:
p53遺伝子
,
腫瘍-多発性原発
,
上皮内癌
,
腺腫
,
変異
,
臨床病理学
,
分類
,
APC遺伝子
,
Loss of Heterozygosity
,
B-raf癌原遺伝子タンパク質
,
分子病理学
,
側方発育腫瘍
Keyword:
Adenoma
,
Carcinoma in Situ
,
Classification
,
Neoplasms, Multiple Primary
,
Mutation
,
Pathology, Clinical
,
Genes, p53
,
Genes, APC
,
Loss of Heterozygosity
,
Proto-Oncogene Proteins B-raf
,
Pathology, Molecular
pp.37-46
発行日 2014年1月20日
Published Date 2014/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2014091123
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大腸側方発育型腫瘍(laterally spreading tumor;LST)の臨床病理学的および分子病理学的特徴を述べる.LSTは側方に発育する10mm以上の腫瘍と定義される.形態的特徴から結節型(G型)と非結節型(NG型)に分類され,さらに前者は均一型と混合型に,後者は平坦型と偽陥凹型に亜分類される.LSTは全体に組織学的異型の比較的高い病変が多いが,とくに混合型と偽陥凹型は担癌率も粘膜下層浸潤率も高いことが知られている.LSTは直腸,S状結腸,上行結腸,盲腸に好発するが,とくに非結節型は右側に好発するとされる.分子異常の観点からは結節型はAPCとki-ras変異が特徴的であったが,非結節型には特徴的な分子異常は指摘できず,今後の検討が必要である.また,LST-Gでは特定のメチル化異常が関与している可能性がある(CIMP2).分子病理学的にはLST-GとLST-NGは異なったカテゴリーに属すると思われる.
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