小児の骨-胎生期から思春期まで
胎児期に発見される骨系統疾患
澤井 英明
1
1兵庫医科大学 産科婦人科
キーワード:
骨形成不全症
,
骨疾患
,
出生前超音波診断
,
胎児疾患
,
X線CT
,
低ホスファターゼ症
,
短肋骨多指症候群
,
遺伝学的検査
,
軟骨低形成症
,
軟骨無発生症
Keyword:
Bone Diseases
,
Genetic Testing
,
Fetal Diseases
,
Hypophosphatasia
,
Osteogenesis Imperfecta
,
Short Rib-Polydactyly Syndrome
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Ultrasonography, Prenatal
pp.189-198
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2015274634
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
妊娠中にみつかる胎児の骨系統疾患は,超音波断層法での大腿骨長の短縮をきっかけとすることが多いが,出生前に疾患を確定診断することは非常に困難である.通常は超音波断層法を用いて経時的に形態観察を行うことになるが,疾患によっては出生前遺伝子診断や,近年は胎児CTが撮影されることも多くなっている.画像診断のみでは診断は確定できないが,少なくとも胎児の予後の推定が重要であり,胎児CTは出生後の単純X線診断に迫る診断能力を有する.ただし,妊娠中であり,被曝量を軽減することと,撮影施設で画像の処理と読影手法・能力を確立していることが重要である.妊娠管理の方針と分娩形式の決定を行ってその後の経過を見て,出生後には臨床症状およびX線所見,可能であれば遺伝子診断も併用して診断を確定する.児の治療方針を立てると同時に,次回妊娠での再発可能性などについての遺伝カウンセリングを行う.
Copyright © 2015, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.