尿細管トランスポーターの機能制御と疾患治療-トピックス
カルシウム輸送体TRPV5/6の機能と異常
鈴木 喜郎
1
1岡崎統合バイオサイエンスセンター 細胞生理研究部門
キーワード:
Calcium
,
骨密度
,
副甲状腺機能亢進症-続発性
,
腸管吸収
,
表現型
,
ホメオスタシス
,
骨組織リモデリング
,
ノックアウトマウス
,
尿路結石症
,
尿細管再吸収
,
TRPV5 Protein
,
TRPV6 Protein
Keyword:
Homeostasis
,
Hyperparathyroidism, Secondary
,
Intestinal Absorption
,
Phenotype
,
Bone Density
,
Bone Remodeling
,
Mice, Knockout
,
Urolithiasis
,
Renal Reabsorption
,
TRPV6 Protein, Human
,
TRPV5 Protein, Human
,
Calcium
pp.175-180
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2013285817
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生体内Ca2+恒常性維持のために小腸Ca2+吸収,腎Ca2+再吸収および骨代謝が協調的に働いている.その調節に重要であるとされるのが管腔膜Ca2+流入路であり,分子実体の有力な候補が近年同定された.TRPV5は腎・遠位曲尿細管の管腔膜Ca2+流入路の一つと考えられ,そのKOマウスは腎漏出型の高Ca2+尿症,二次性の小腸Ca2+吸収増加および骨質の低下を呈した.またTRPV6は十二指腸の管腔膜Ca2+流入路の一つと考えられ,ヒトにおいて小腸Ca2+吸収の増加による尿路Ca2+結石との相関が示唆された.さらにTRPV6をKOしたマウスにおいて小腸Ca2+吸収減少による二次性の副甲状腺機能亢進症と骨密度の低下が認められた.以上のことからTRPV5/6の管腔膜Ca2+流入路として生体内Ca2+恒常性維持に重要であることが明らかになった.
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