発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2017031334
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症例は61歳男性で、40歳のときに検診にて糖尿病を指摘されるも放置した。55歳より糖尿病加療を開始し、徐々に腎機能障害の進行を認めた。58歳のときに腹膜透析(PD)導入した。透析導入2年8ヵ月頃、8日前より陰嚢の違和感を自覚し、2日前より急激な陰嚢腫大を認めた。その後、歩行困難な状態となったため、入院となった。陰嚢腫大、発赤、疼痛を認め、腫大による血流うっ滞により陰嚢に蜂窩織炎を発症していると考え、セフトリアキソンによる加療を開始した。また、陰嚢への透析液の交通が疑われたためCT peritoneographyを施行し、陰嚢の著明な腫大を引き起こしていることが判明した。PDによる腹圧上昇が症状を悪化させていると考え、手術を行うまでPDを中止しHDにより除水を進めた。その後、腹膜鞘状突起閉鎖術を施行した。術後2週間よりPDを1L貯留から再開し、陰嚢の腫大が再発しないことを確認、PDを徐々に2L貯留まで増加とした。その後は週1回のHDとPDのハイブリッド治療を継続している。
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