発行日 2016年5月10日
Published Date 2016/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016266964
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67歳男。33年前に透析導入され外来通院中、右視力障害が出現した。徐々に増悪するため近医を受診したところ、頭部CTで蝶形骨洞内から一部眼窩尖部に及ぶ異常影を認められ、当院に紹介された。右眼は指数弁で外眼筋麻痺を認め、右眼球運動は左右上下すべてに制限を認めた。眼窩部MRIで蝶形骨洞内に23×17mm大の腫瘤性病変を認め、T1強調像で内部不均一な等~軽度の高信号、T2強調像で低信号を呈した。また、右眼窩尖付近ではT1強調像で低信号、T2強調像で高信号となり、炎症の波及による変化と考えられた。これらの所見から浸潤性副鼻腔真菌症が疑われたため、緊急で内視鏡下鼻内副鼻腔手術を行い、蝶形骨洞内の真菌塊を除去し、蝶形骨を開放した。真菌塊の病理組織検査で菌糸にY字状分岐と隔壁を認め、アスペルギルスと判定された。
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