維持透析患者の消化管疾患-症状からみた傾向と対策
消化管出血 診断、内視鏡的止血、手術、透析施行にあたっての注意点
浜田 弘巳
1
,
高田 譲二
,
横山 和典
1日鋼記念病院 外科
キーワード:
血液透析
,
消化管出血
,
消化器外科
,
腎不全-慢性
,
内視鏡的止血
Keyword:
Kidney Failure, Chronic
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Renal Dialysis
,
Digestive System Surgical Procedures
,
Hemostasis, Endoscopic
pp.205-211
発行日 2013年2月10日
Published Date 2013/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2013135079
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維持透析患者に消化管出血を生じた場合,死亡のリスクが上昇する.上部消化管では急性胃粘膜病変,胃潰瘍などのリスクが高く,下部消化管ではリン吸着薬の多用による便秘が直腸潰瘍の誘因となる.症状から出血部位を推定し,上部,下部のいずれの内視鏡を優先するかの判断が大切である.内視鏡は治療に対応可能なものを用い,病変に応じて止血法を選択する.手術時にはリスクに応じた術式の選択が必要である.止血後の透析は再半減期が短く透析性の良い抗凝固薬を用いる.また循環動態,電解質異常に応じて透析方法も選択しなければならず内視鏡医・外科医と透析医の密な連携が治療成績向上に必要である.
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