特集 これからの胃癌診療
8.胃癌に対するConversion surgery
中西 香企
1
,
小寺 泰弘
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
キーワード:
胃癌集学的治療
,
Conversion surgery
,
化学療法の進歩
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
バイオマーカー治療
Keyword:
胃癌集学的治療
,
Conversion surgery
,
化学療法の進歩
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
バイオマーカー治療
pp.905-912
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003110
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化学療法の進歩により,胃癌においても遠隔転移巣が完全奏効する例をしばしば認める.この状況下で根治切除が可能となり,長期的な予後改善が期待されることから,根治切除が行われ,「Conversion surgery」と呼ばれている.胃癌では,その転移様式の多様性から治癒切除不能の状況が異なり,さらに,施設による治療方針の違いも見られる.とくに問題となるのがConversion surgeryと術前補助化学療法後の手術の明確な区別がなく混同されていることである.実地診療では化学療法を受けた患者のうち17~35%程度がConversion surgeryを受け,R0切除率は全体の20%程度,治癒切除例では5年生存率40~50%程度とされている.Conversion surgeryは有望な治療である一方,今後の免疫チェックポイント阻害薬やHER2抗体薬の進歩により,将来的にはConversion surgeryの必要性を低減させる可能性も考えられる.
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