特集 内科医が知っておくべき,肛門疾患の基礎知識
6.臀部膿皮症
岩川 和秀
1
,
磯田 健太
1
1健生会 いそだ病院外科
キーワード:
臀部膿皮症
,
化膿性汗腺炎
,
自己免疫疾患
Keyword:
臀部膿皮症
,
化膿性汗腺炎
,
自己免疫疾患
pp.401-405
発行日 2024年3月20日
Published Date 2024/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002988
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化膿性汗腺炎のうち臀部に生じたものを臀部膿皮症と呼称しており,従来はアポクリン腺の閉塞により分泌物の蓄積が生じ,そこにブドウ球菌などが感染して発生する感染性疾患ととらえられていたが,現在では毛包における自然免疫の異常に基づく自己免疫疾患と位置付けられている.皮下に生じた膿瘍が融合しながら複雑な瘻孔を形成し,広範囲で多数の二次口をつくり慢性再発性の経過をたどるのが特徴である.生物学的製剤アダリムマブも適応症として追加されたが効果は限定的であり,根本的治療は外科的治療である.一般消化器内科医には本症の疾患概念を認知していただき,治療経験のある肛門外科医へのコンサルテーションが望まれる.
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