連載 薬の知識
イピリムマブ(ヤーボイ®)・ニボルマブ(オプジーボ®)の併用療法における高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI‒High)を有する結腸・直腸癌への適応拡大
岡田 真央
1
,
岩佐 悟
1
,
朴 成和
2
1国立がん研究センター中央病院消化管内科
2東京大学医科学研究所附属病院腫瘍・総合内科
キーワード:
dMMR/MSI—High
,
nivolumab
,
ipilimumab
Keyword:
dMMR/MSI—High
,
nivolumab
,
ipilimumab
pp.1353-1355
発行日 2021年8月20日
Published Date 2021/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001946
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DNAミスマッチ修復(mismatch repair;MMR)は,DNA複製に伴って生じる塩基のミスマッチを修復する機構である.それに関わるMSH2やMLH1などの遺伝子に異常が生じてミスマッチ修復機能が欠損する(deficient MMR;dMMR)と,マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability;MSI)を示す.マイクロサテライトは1~数塩基の繰り返し配列を含むゲノムDNA配列であり,がん細胞においてミスマッチ修復機能に異常をきたすと,この繰り返し配列の増大あるいは減少が生じる.マイクロサテライトの繰り返し配列に異常がある状態を高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI—High)という.MSI—Highの固形腫瘍では細胞内に体細胞変異の蓄積をきたし,免疫原性が高いことから免疫チェックポイント阻害薬の効果が期待されてきた.
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