特集 機能性消化管疾患―診療UPDATE
1.機能性上部消化管疾患(1)機能性ディスペプシア a.疾患概念,疫学と病態
春日井 邦夫
1
,
海老 正秀
1
,
舟木 康
1
,
小笠原 尚高
1
,
佐々木 誠人
1
1愛知医科大学消化管内科
キーワード:
機能性ディスペプシア
,
Rome Ⅳ基準
,
脳腸相関
,
胃・十二指腸運動能障害
,
内臓知覚過敏
Keyword:
機能性ディスペプシア
,
Rome Ⅳ基準
,
脳腸相関
,
胃・十二指腸運動能障害
,
内臓知覚過敏
pp.467-472
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001753
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機能性ディスペプシア(FD)は,慢性的に上腹部愁訴(ディスペプシア症状)を呈するものの器質的疾患を認めない疾患群である.国際的な診断基準としてRome Ⅳ基準があるが,わが国では実用的な診断基準として,機能性消化管疾患診療ガイドラインにおいて症状と持続期間が再定義されている.また,有病率はFDの定義などにより多少の幅はあるが,一般成人の7~17%程度とされており,頻度の高い疾患である.FDの病態として多くの因子が報告されている.胃・十二指腸運動機能障害,内臓知覚過敏,脳腸相関,遺伝的要因,成育環境,感染性胃腸炎の既往,消化管の微小炎症,ライフスタイル,腸内細菌叢など複数の因子が関連してFDが発症するものと考えられている.
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