特集 機能性消化管疾患―診療UPDATE
1.機能性上部消化管疾患(1)機能性ディスペプシア b.(改訂)学会ガイドラインに基づく診断
鈴木 秀和
1
,
森 英毅
2
1東海大学医学部医学科内科学系消化器内科学
2ルーヴェン・カトリック大学消化器病トランスレーショナルリサーチセンター
キーワード:
上部消化管内視鏡検査
,
H. pylori
,
自己記入式問診票
,
アラームサイン
,
プライマリ・ケア医
Keyword:
上部消化管内視鏡検査
,
H. pylori
,
自己記入式問診票
,
アラームサイン
,
プライマリ・ケア医
pp.473-480
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001754
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最新のガイドラインに基づく機能性ディスペプシアの診断において,大きく変更された項目は,器質的疾患の除外目的の上部消化管内視鏡検査が必須でなくなった点である.問診,身体的所見でアラームサインを認めず,他の器質的疾患を疑うような所見に乏しいときには,プライマリ・ケア医の段階で,内視鏡を含む検査に優先して,診断的治療も含め機能性ディスペプシアの治療を開始するように推奨されている.消化器専門医の役割は,プライマリ・ケア医の診療において,器質的疾患を疑う症例における上部消化管内視鏡検査を含む精査,H. pylori精査がおもな役割であり,可能であれば,自己記入式問診票,心理社会的因子の評価を行う.消化管機能検査は未だ研究の領域を脱しておらず,おもに研究機関でのみ行われている.
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