連載 検査値の読み方
透析中の肝硬変症例に生じた肝性脳症
淺岡 良成
1
,
田中 篤
1
1帝京大学医学部内科学講座
キーワード:
腎不全
,
透析
,
肝不全
,
アミノ酸製剤
Keyword:
腎不全
,
透析
,
肝不全
,
アミノ酸製剤
pp.1516-1520
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001429
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肝腎機能がともに低下した症例の病態は複雑であり,腹水や肝性脳症などの肝硬変合併症に対する治療が困難になる.高アンモニア血症は肝性脳症の原因の一つと考えられているが,腎障害を伴う症例ではアンモニアやその代謝物である尿素の排泄が低下するため病態に影響を及ぼす.また肝性脳症に対して投与される肝不全用アミノ酸製剤はアミノ酸負荷をもたらすため製剤の含有量をよく認識し,適切な投与をこころがける必要がある.われわれは,アミノ酸製剤投与の影響が疑われる高アンモニア血症が遷延した肝硬変透析症例の肝性脳症を経験したので報告する.
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