特集 薬剤性消化器疾患の診療
4 .その他の薬剤性消化器疾患(4)免疫チェックポイント阻害薬による消化器障害
伊藤 隆徳
1
,
澤田 つな騎
1
,
中村 正直
1
,
本多 隆
1
,
石上 雅敏
1
,
藤城 光弘
1
1名古屋大学消化器内科
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬
,
免疫関連有害事象
,
T 細胞
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬
,
免疫関連有害事象
,
T 細胞
pp.759-765
発行日 2020年6月20日
Published Date 2020/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001205
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免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象(immune‒relatedadverse event;irAE)関連肝障害と消化管障害は比較的まれであるが,一部の例では急速に悪化して重症化する.いずれのirAE も早期診断が重要であるが,確定診断のためには適切な画像検査や病理学的検査も含めた総合的な評価が重要となる.irAE 肝障害の特殊型として,ステロイド抵抗性を示す原発性硬化性胆管炎様の非閉塞性胆管拡張を伴う胆管炎が存在するため,胆道系酵素の優位な上昇を認める際には,その可能性も含めて精査を進める必要がある.irAE は免疫チェックポイント阻害薬使用患者には,“いつでも・だれでも”起こる可能性があり,消化器専門医と各科の医師が協力し対応していくことが重要である.
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