特集 腹膜炎・腹水に対する診療の進歩
1 .腹膜疾患の総論
宮原 良二
1
,
古川 和宏
1
,
藤城 光弘
1
1名古屋大学大学院消化器内科学
キーワード:
腹膜炎
,
腹水
,
腹膜腫瘍
Keyword:
腹膜炎
,
腹水
,
腹膜腫瘍
pp.967-970
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000843
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腹腔は単層の中皮細胞に包まれた腔であり,無菌的な空間である.腹膜炎は種々の原因で発生する腹膜の炎症であり,腹膜の吸収・滲出作用のバランスが崩れ腹水が貯留することが多い.腹水は,がん性腹膜炎や感染性腹膜炎などにより体液が腹膜を通じて腹腔内に滲出した状態であり,炎症性腹水,がん性腹水,肝性腹水など多岐にわたる病態で発生している.また,腹膜腫瘍としては,腹膜の中皮細胞から発生する中皮腫や,播種性転移などがある.腹膜の疾患に対しては,各疾患の病態生理を理解して診療に当たる必要がある.
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