特集 糖尿病透析患者の全身管理を極める―専門医との連携を目指して
8.頸動脈と脳血管系の管理―専門医へのコンサルトタイミングは?
鶴屋 和彦
1
1奈良県立医科大学腎臓内科学
キーワード:
糖尿病
,
血液透析
,
脳卒中
,
頸動脈狭窄症
,
抗凝固薬
Keyword:
糖尿病
,
血液透析
,
脳卒中
,
頸動脈狭窄症
,
抗凝固薬
pp.49-56
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002430
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透析患者では血行力学性脳梗塞が発症しやすく,糖尿病合併例ではそのリスクが高い.脳卒中対策では発症予防が重要で,高血圧管理に加え,透析後の起立性低血圧にも注意が必要である.頸動脈狭窄症に対する血行再建術は,透析患者ではリスクが高く,適応症例を慎重に選んで行う必要がある.心房細動を有する血液透析患者の抗凝固療法の是非については未だに結論が出ていない.近年,海外では一部の直接経口抗凝固薬の有用性が認められ使用されているが,わが国では高度腎機能障害例では禁忌とされており使用できない.発症後の治療については適切なタイミングで脳神経専門医へコンサルトすることが重要である.
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