特集 もっと知ろう透析室での腎移植問題―腎移植と透析の移行期
[コラム]生体腎移植ドナーの透析導入について
小口 英世
1
,
酒井 謙
1
1東邦大学医学部腎臓学講座
キーワード:
腎移植
,
ドナー
,
生体
Keyword:
腎移植
,
ドナー
,
生体
pp.1076-1076
発行日 2022年7月10日
Published Date 2022/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002246
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生体腎移植ドナーの透析導入は決して看過されるべきものではない.海外からの報告で,白人に限定した生体腎移植ドナー3,956名の長期腎予後をみた研究では,腎提供後の末期腎不全の累積発症率は10,000名あたり,15年で13.5名(0.135%),30年で68.7名(0.687%),40年で78.7名(0.787%)と報告されている.一方,わが国の透析医学会における2020年末の調査によると,回答のあった維持透析患者247,691名のなかで107名(0.043%)が腎提供の既往があり,その内訳としてドナー腎摘後,透析導入に至るまでの平均期間は19年2カ月,さらに腎摘後に透析導入となった期間の詳細で,5年未満が3名(3.1%),5年以上10年未満が16名(16.5%)と報告されており,わが国においても,近年生体腎移植ドナーの実態が徐々に明らかとなってきている.
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