発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002076047
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尾状葉合併左葉グラフトを導入した1998年1月以降に生体肝移植を施行した成人症例41例を対象とした.尾状葉合併左葉グラフト症例では,ほぼ同等の体格のドナーからの肝移植が行われた.ドナー手術における肝切離時間は尾状葉合併左葉切除例で長く,又,出血量,自己血輸血量はいずれも尾状葉合併左葉切除例で多くなっているが,全例を通じて日赤血輸血を必要としたドナーはなかった.レシピエントにsmall for size graftに直接起因する肝不全をきたした症例はなく,尾状葉合併左葉グラフトに関する術後の画像検査では,尾状葉の良好な再生が確認された.なお,検討期間中に成人生体肝移植を検討した症例中3例(7%)が尾状葉合併左葉グラフトを用いてもなお容積が足りないとの判断から当施設での生体肝移植を断念した
©Nankodo Co., Ltd., 2001