10．SDMのなかでの腎移植選択vs透析選択

SDM（shared decision making）は，腎代替療法（RRT）選択の際に有効な手法であるが，SDMを実践するうえで，腎移植という選択肢が誰にでもあるわけではないことを忘れてはならない．患者が腎移植を選択できるかどうかを判断するためには，患者自身の医学的情報だけではなく，家族背景や生活背景を知る必要があり，それらの情報を意思決定が必要となる時期よりも早い段階から集めることが重要である．それらの情報を踏まえたうえで，医療者はそれぞれの患者に合わせた選択肢についての情報提示を行うことで，より円滑な，そして充実したSDMが行えると考える．