特集 透析医療における災害対策
1.透析室災害対策の新たな方向性について
赤塚 東司雄
1
1赤塚クリニック
キーワード:
透析
,
災害対策
,
地震
,
気象災害
,
地球温暖化
Keyword:
透析
,
災害対策
,
地震
,
気象災害
,
地球温暖化
pp.727-736
発行日 2021年8月10日
Published Date 2021/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001793
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
水・電気などの安定供給を要する透析医療が持続困難となるのは災害時である.最初の災害時支援透析は1978年宮城県沖地震で,以来2019年まで25回の組織的支援を必要とする自然災害が報告され,地震11回,風水雪害14回に上った.地震への災害対応は経験値の蓄積が進み,対応力も向上したが,近年激しさを増す気象災害は,被災回数も規模も地震被災を超えることが増加した.これは地球温暖化による風水害の激甚化が原因の一端とされており,全国どこでも発生の可能性がある.透析医療の災害対策は新たな方向性として,気象災害への取り組みが必須となる.具体的には①早期情報収集,②事前の避難方法確立,③早期避難,④施設設立時のハザードマップ活用,⑤さらなる患者教育の徹底が主となると考えられる.
Copyright © 2021, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.