特集 看過してはならない不整脈
3.心臓突然死の原因はすべて致死性心室性不整脈なのですか?
吉田 衣江
1
,
髙橋 延行
1
1関西医科大学内科学第二講座
キーワード:
心臓突然死
,
致死性心室性不整脈
,
徐脈性不整脈
,
電解質
Keyword:
心臓突然死
,
致死性心室性不整脈
,
徐脈性不整脈
,
電解質
pp.533-536
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001735
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透析患者では心臓突然死の頻度が高い.その原因として冠動脈疾患,左室肥大,左室機能低下の合併など心臓の問題と透析サイクルに伴う血液中の電解質の変化など透析固有の問題が挙げられる.従来から心臓突然死に至る不整脈は心室頻拍/心室細動といった致死性心室性不整脈がほとんどであると考えられてきたが,ループレコーダを用いた最近の研究から房室ブロックや心静止など徐脈性不整脈から心停止に至る例も多いと報告されている.さらに透析前の心臓突然死はおもに徐脈性不整脈が,透析中から透析後にかけてはおもに致死性心室性不整脈が関与していることが示唆され,その原因として血液中の電解質の変動が大きな役割を果たしているものと考えられる.
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