特集 ダイアライザ・ダイアフィルタの今後を考える
3.Pro-Con debate:ダイアライザ・ダイアフィルタでアルブミン漏出は必要か(3)Con:血液透析・血液透析濾過ではアルブミン漏出をできるかぎり少なくするべきである
阿部 雅紀
1
1日本大学腎臓高血圧内分泌内科
キーワード:
血清アルブミン濃度
,
低栄養
,
慢性炎症
,
血液透析
,
血液透析濾過
Keyword:
血清アルブミン濃度
,
低栄養
,
慢性炎症
,
血液透析
,
血液透析濾過
pp.441-448
発行日 2021年5月10日
Published Date 2021/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001707
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血清アルブミンの体内における役割は,血清の膠質浸透圧を調節することと,ホルモンや微量元素種と結合してそれらを目的の場所へ運搬することである.アルブミンは血漿蛋白の約60%を占める重要な蛋白である.透析患者では,食欲低下,長期透析による慢性炎症,ダイアライザ・ダイアフィルタからの漏出,異化亢進などにより,低アルブミン血症となりやすい.透析患者の低アルブミン血症は予後不良因子である.とくに炎症と低栄養が合併した場合,さらに予後は不良となる.透析による過度のアルブミン漏出(喪失)により,血清アルブミン濃度は低下する.そのため,アルブミン漏出量を≦12 g/週に抑えた透析治療を行うことが重要である.
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