血液浄化機器2020
第Ⅸ章 抗凝固薬
山下 芳久
1
1埼玉医科大学保健医療学部臨床工学科・臨床工学技士
pp.1074-1077
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001415
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血液の体外循環を用いる血液浄化法では,血液が血管外に放出されることに加え,血液回路や血液浄化器などの人工材料との接触,空気との接触や血液ポンプなどの物理的刺激などの要因によって血液は刺激され,血液凝固反応(凝固カスケード)系内の各凝固因子が活性化されて凝固反応が段階的に進行する.この血液凝固反応を阻害することによって血液の体外循環を円滑に行わせるためには抗凝固薬(ヘパリン,低分子ヘパリン,ナファモスタットメシル酸塩,アルガトロバンなど)が必須であり,その種類や投与量,投与方法を患者ごとに適正に調整したうえで血液浄化法を行うことがきわめて重要である(表).そのためには各種抗凝固薬の特徴/特性を十分に理解したうえで使用する必要がある.以下,一般的な血液浄化法に使用されている抗凝固薬について,その特徴/特性,および使用法などを簡潔に述べる.
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