特集 バスキュラーアクセス―トラブルを少なくするために
13.バスキュラーアクセスによる合併症とその対策(2)感染症
前多 香
1,3
,
森兼 啓太
2,3
1地域医療振興協会東京北医療センター感染対策室
2山形大学医学部附属病院検査部・感染制御部
3透析関連感染サーベイランス研究会
キーワード:
サーベイランス
,
血流感染
,
血液培養
,
抗菌薬
Keyword:
サーベイランス
,
血流感染
,
血液培養
,
抗菌薬
pp.854-859
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001355
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われわれのグループは10 年以上にわたりバスキュラーアクセス関連感染サーベイランスを実施している.その集計結果から,以下が明らかになっている.まず感染防止の観点から,非カフ型(短期)カテーテルの使用を極力避け,使用する場合はできるだけ短期に留める.透析導入時期を見定めた計画的なシャント・グラフト作製も重要である.次に感染症の早期診断と適切な治療のために,発熱を呈する患者に対して抗菌薬投与前に必ず血液培養を2 セット採取し,起因菌を同定して適切な抗菌薬を投与する.培養検査の結果が判明するまでの間,シャント血流感染においてはセファゾリン,グラフト・カテーテルの血流感染ではバンコマイシンが第一選択薬となる.
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