特集 小児腎不全―移行期医療の管理
10.新生児急性腎障害の現況と長期予後
澤田 真理子
1
1倉敷中央病院小児科
キーワード:
新生児
,
急性腎障害
,
慢性腎臓病
,
未熟性
Keyword:
新生児
,
急性腎障害
,
慢性腎臓病
,
未熟性
pp.1137-1141
発行日 2018年8月10日
Published Date 2018/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000641
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2016 年,急性腎障害(AKI)診療ガイドラインが出版され,新生児AKI の診断基準が明記された.すべての新生児にこのAKI 診断基準を画一的に用いるにはいくつかの問題点はあるが,このガイドラインによって新生児AKI の定義が統一された.現在,この診断基準に基づいた新生児AKI の病態解明が急速に進んでいる.新生児AKI は未熟性に強く関連し,発症率は8~54 %,原因は脱水,敗血症,新生児仮死,心疾患などである.新生児AKI は短期および長期の予後に関連し,思春期・若年成人期に高血圧・蛋白尿・慢性腎臓病(CKD)の発症リスクが高い.新生児AKI では,急性期管理のみならず,長期フォローアップと適切なCKD 管理が重要である.
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