投稿論文 紹介
華岡流全身麻酔法の限界とその終焉
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
チョウセンアサガオ
,
全身麻酔
,
投薬計画
,
経口投与
,
麻酔回復期
,
薬物用量反応関係
,
全身麻酔剤
,
附子
,
江戸期医学史
,
麻沸散
Keyword:
Anesthesia Recovery Period
,
Anesthesia, General
,
Administration, Oral
,
Drug Administration Schedule
,
Dose-Response Relationship, Drug
,
Anesthetics, General
,
Datura metel
,
Bushi
pp.893-901
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2022250889
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華岡青洲の麻酔薬"麻沸散"は6種の生薬で構成されている。その中のマンダラゲと附子は安全域が狭く、臨床的投与量には制限があって、手術を行うに十分な深い麻酔を得ることはできなかった。この麻酔法がのちに衰退することになった最大の原因は、麻酔の導入に時間を要したことで、緊急手術時には応用できなかった。この理由で、戊辰戦争(1868-9)や西南戦争(1877)時にはクロロフォルムやエーテルによる吸入麻酔に主役の座を譲った。
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