投稿論文 短報
先天性門脈体循環シャントを合併した妊婦の帝王切開の麻酔経験
田中 舞
1
,
池田 慈子
,
奥谷 龍
1大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター 麻酔科・ICU
キーワード:
Bupivacaine
,
脊椎麻酔
,
帝王切開術
,
妊娠合併症-心臓血管系
,
脳腫瘍
,
産科麻酔
,
血管腫-海綿状-中枢神経系
,
限局性結節性過形成
,
先天性疾患
,
門脈体循環短絡症
,
腹部CT
Keyword:
Anesthesia, Spinal
,
Anesthesia, Obstetrical
,
Pregnancy Complications, Cardiovascular
,
Brain Neoplasms
,
Bupivacaine
,
Cesarean Section
,
Hemangioma, Cavernous, Central Nervous System
,
Focal Nodular Hyperplasia
pp.543-545
発行日 2021年5月10日
Published Date 2021/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021237776
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症例は26歳女性で、4歳時に先天性門脈体循環シャントと診断されていた。右側頭葉に海綿状血管腫を認めており、分娩時の怒責に伴う頭蓋内圧の亢進を避けるため、妊娠39週0日に帝王切開を予定し、麻酔は脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔を行った。硬膜外カテーテルはL1-2より挿入し、頭側5cmに留置した。その後L3-4から脊髄くも膜下麻酔を施行し、0.5%ブピバカイン高比重2mLを投与した。L4以下の無痛を確認して手術を開始し、手術時間52分、出血量700mL、児のアプガースコアは1分値8点、5分値9点であった。術後鎮痛のために硬膜外カテーテルより0.2%ロピバカインを4mL/hrで持続投与を行った。術後の血液検査では、術前から認めていた高アンモニア血症に変化はなく、肝逸脱酵素の上昇も認めなかった。母子ともに経過は良好で、術後5日目に退院となった。
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